The story of Naocastle ~全ては自分~ 第十章

It is not the critic who counts:
not the man who points out how the strong man stumbles or where the doer of deeds could have done better.
The credit belongs to the man who is actually in the arena,
whose face is marred by dust and sweat and blood, who strives valiantly,
who errs and comes up short again and again,
because there is no effort without error or shortcoming,
but who knows the great enthusiasms, the great devotions, who spends himself for a worthy cause;
who, at the best, knows, in the end, the triumph of high achievement,
and who, at the worst, if he fails, at least he fails while daring greatly,
so that his place shall never be with those cold and timid souls who knew neither victory nor defeat.
- Theodore Roosevelt(1858-1919, Twenty-sixth President of the USA)
"Citizenship in a Republic,"
Speech at the Sorbonne, Paris, April 23, 1910 )


批評する人達が偉いのではない
彼はこうして崩れていった‥彼はもっとこうすべきであった‥と指摘をする人達等ではない
名誉は、実際に戦場で戦い、顔はほこりと汗と血でまみれながらも、前へと猛進して行く男の中にある
何度も何度も、もう少しのところで手が届かず失敗を繰り返す
努力には失敗や届かない物は付き物
しかし価値ある因の為に男は壮大な気持ちと全てを捧げられる力を持ちながら歩む
待っているのは最高の勝利の勲章である
万が一失敗をしたとしても、その男は全てをぶつけて負けていったのである
その男の魂は、勝利か敗北を知ろうともしなかった冷たくて臆病な魂な人間達とは一生一緒にする事が出来ない


「シドニーのシーズンがもうすぐ終わるんでしたね。」と、
日本の知り合いからのメールが入っていて、
「日本のチームのテストに来ませんか?」と言う内容のメールでした。
僕は日本では一度も認められた事が無く、すぐにはそう思わなかったものの、いい機会かなとも思い始めました。
日本で大活躍をすれば、ヨーロッパの道へも自然と拡がるであろう。
そんな事を思いながら、日本行きの準備をを着々と進めていました。


そしてシーズンが終わると同時に日本へと出発。
数ヶ月間、何チームかを廻りました。
しかしどのチームからも納得がいくようなオファーはなく…
その後若干やけくそになり、ベトナムのチームへにもテストを受けに行きました。
結果はもちろん駄目。
気持ちがないところに最初から行くべきではないという事を学びました。笑


でもベトナムは楽しかったし、飯も最高にうまかったです。
僕が自分でラッキーだなって思うところは、海外に行くとご飯が合わないとか言う人がいますけど、
僕はどんな料理も好きで主食にもこだわりはないので、
行ったどの国の料理もうまく、食事の心配だけは全くありませんでした。
料理をするのもかなり好きなので一人の時は適当にその日の気分と、ある材料で作っていました。


ヨーロッパでプレーしたいんやったら、ヨーロッパに行けばええやんけ…
とも少し思っていましたが、スイスの事もあったし、当てもなしにスーツケースをぶら下げて又行くのはさすがに無謀すぎると思う気持ちの方が断然強く…
そして何よりも、いつの間にか僕は周りの人の言う事を信じきっていたのかもしれません。


それは、
「代表歴のない日本人が、この年齢でヨーロッパに行って契約を取れるはずが無い。」
「無謀もいいところや。自分がヨーロッパのクラブ側になってよく考えてみろ。」


この人達とは別に素人ではなく、実際にヨーロッパで長年プレーしていた選手達や、ヨーロッパに強い繫がりがある代理人たちですから説得力もあり、
言ってる事はごもっともで、僕でも難しいのは元々わかっていたのでいつの間にか納得をしていました。
そしてお金を貰ってサッカーができる事の幸せを改めて思わされた時期でもありました。


この章の題名である、“全ては自分”ですが、
この言葉は僕の大好きな言葉で、小さい時にはよく細いバンドにマジックで書いて腕に付けていた事があります。笑
やはり、周りが何を言おうと最後は全て自分で決める事。
自分の人生のドラマは自分が決めていくもので、道を切り開いていくのも自分であり、どの道を選択するのかも最終的には自分。


Life is what you make it!
人生とは自分で作り上げていくものだ!


小学生、シドニーの学校の時の先生に言われた言葉です。
この言葉はいつの間にか忘れていた気がします。
いつの間にか、ヨーロッパは無理やと思っていました。
しかし、まだ何も始まってはいない。
「そこでプレーしたいんなら、どんだけ無謀でも、もう一回行ってみろよ!この意気地なしが!!!」


もう一人の僕が叫んでいました。
現実厳しい事なんて、はっきり言って周りの連中が言わなくても充分わかっていた事。
でも、もう一度がむしゃらに夢を追いかけてみたかった。
死に物狂いでやって夢を現実にして、周りの連中にもですが何よりも僕はまだできるという事を自分自身に証明したかったですね。
そして、悩んで困っている人たちには何も無いところから這い上がれる事を証明して、
少しの勇気と希望を与えたいなんていう生意気な事も思っていました。


僕なりに悩んで悩んで、僕自身が決めた道。間違ってるわけが無い!
どんな時でも、自分の心の気持ちを大切にした方がいいと思うし、そうしていきたい。


Whether you think you can or think you can't, you're right.                     

「出来ると信じるか、出来ないと信じるか、そのどちらを選んでもあなたは正しい」


これはヘンリーフォードの名言。
思考は現実になる。出来ると思えば出来るし、出来ないと思えば出来ない。


正直この時は、チームが無くて僕はプロでやっていけるという自信を全て失くしていました。
しかし、そんな時だったからこそ気付けたのかもしれないですね…
それはどんな時でも、最後まで自分を信じる事。
少なくとも自分だけは自分を信じていけなければ、誰も信じてくれないかもしれない。


無難に生きよう、無難にやっていこう。特に日本の社会では多くの人が思う事かもしれません。
言いたい事が言えなくて我慢していたり、和を保つために踏み切れない…


でも今いる親友の中には、凄い言い合ったり大喧嘩した後にやっと、
お互いに対するリスペクトが増してその後に親しくなった事があったのではないでしょうか。


この無難という世界から逆らう事は意外と簡単だと思えば簡単な事で、
ほんの少しの勇気を出して一歩踏み出せるか出せないかの違いなのかもしれません。


どんな仕事でも勉強でも、海外に一人で行って道を切り開こうとしている人達にはほんとに頑張ってもらいたいし、応援しています。
しかし海外に少し行って意見を持ち、INDIVIDUALITYを大切にする外人を見習い、
ただ自分の思った事を言いたい放題の人達では駄目です。
それでは全く理解力が無い人間で終わってしまいます。
その場所にはその場所のやり方とルールがある程度あるでしょう。


他の事にに関しても結局は理解力だと思います。
宗教なども大抵は素晴らしい教えなので最終的にはほとんど変わらないし、どんな宗教をやっていようが逆にやってなかろうが幸せになれると思います。
僕の周りには違う宗教の人間がいて、色々と話せた事は凄くラッキーでした。
どんな宗教でも結局、理解力があるかないかの問題だと僕は思います。
理解力が無い人がいるから、過激なグループが生まれたり、一般の人々に迷惑を掛けるような人達がでてきてしまう。


ワーキングホリデーや、勉強等で違う国に行っている方々も最初は凄い頑張る気持ちがあるんでしょうけど、壁にあたりその同じ人種同士だけで結局つるんでいる光景をよく見てきました。
大変なのはもちろんわかっていますが、それなら日本でも同じような事が出来る。


僕にとっても、スイスで一番大変だったのは言葉でした。
サッカーでの監督や周りの選手からのプレッシャーも半端じゃなかったのですが、言葉からのストレスは結構きていました。
毎日仕事に行って言葉が解らない中で結果を残そうとするのは意外と大変です。
やはり今いるその国の文化や言葉を習う事は非常に大切だと思います。


今いる場所で、死に物狂いで頑張った事は永遠に残るものだと思います。
人生に無駄な事はないし、必ず全ての出来事には意味があると思います。


そしてきっとみんな、なにかどこかで繋がっているから願いは叶うのかもしれません。
だから信じていれば、物事は動き、人が動き、気持ちが動くような気がします。


先ほども書いたように正直僕の中でもヨーロッパに戻る事はかなり厳しい事だとずっと思っていました。
でも難しいと思うと、更に難しくなるもので道も開かない。


人間関係でも何でも、やはり思った事は現実となっていく。
あの人にこんな事を言われたくないなって思うと、たくない…と思っていても結局はその事を思っているから、言われてしまう。
これはサッカーのプレーでもよくあることです。
ミスをしたくないと思っていてもミスの事を考えているからミスを犯してしまう。
こういうところを常にポジティブでいいイメージが描けるように、これからもっと改善していきたいですね!
それはどんな職業を選んでも変わらないと思うからです。


話を戻すと、スイスにチャレンジした時と同様、僕は再び自主トレーニングを始めました。
前みたいにアフリカ軍団たちや周りのみんなはもう既に仕事があったりして、ほんとうに1人だけの練習が多く、27歳にもなって無所属で毎朝起きて自主トレーニングをするのが全く苦じゃなかったと言うと嘘になります。


それでも自分の考え方をまず変えないとヨーロッパへの道は開かないと思い、
自分で自分を騙すように、とにかく出来ると信じきってもう一度ヨーロッパに再挑戦しようと思いました…




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海外挑戦を視野に入れた選手育成

"Aiming to be a world class player would be on anybody's mind who have tried to pursue a career in this beautiful game, but I think it is more important to aim to be a first class human being."
「このサッカーという素晴らしい競技の中、プロを目指す人間の頭の中に世界一流選手になろうという気持ちは必ずどこかにあるはずです。でも私は人間として一流を目指す事のほうが大切だと思います。」
今矢 直城

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その時にベストを尽くせば、たとえ負けた経験でもそれがいつか役に立つ時が来る。

気持ちの持ちようでだいぶ状況は変わりますよね。僕は死んでしまいたいくらい落ち込んでいた時に、ふと見方を変えたら「まだまだ全然余裕じゃん」と思えたりした経験があります。

結局のところ、未来は自分の手の中にあると思います。


今矢さんの自伝を読むと、モチベーションが上がります。いつもありがとうございます。

投稿者 BGS GEEK  : (2010年09月20日 23:59)

心を打たれました。
挑戦には失敗も付き物ですね!

いつも応援しています!

投稿者 tsubasa_becky  : (2010年09月21日 11:00)

BGS GEEKさん

そうですね!その通りだと思います。

こちらこそこんな風に思ってくれる人がいると
モチベーションが上がります!!

投稿者 Nao  : (2010年09月21日 12:22)

tsubasa_beckyさん

ありがとうございます。
挑戦しないと成功もないですけどね!!

投稿者 Nao  : (2010年09月21日 12:23)

初めまして。

始めてカキコします!

いつも応援しています。
お仕事頑張って下さい。

投稿者 nana  : (2010年09月21日 15:52)

直城君、いつも自伝楽しみに読ませて貰ってます。
それと私事ですが来月日本に帰国します。
短い間でしたが素晴らしい舞台でFootballを
する事が出来て去年、今年とひたむきに頑張って来て
良かったなと思いました。
直城君やお父さん、お母さんには
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

こっちに来た頃は弱音や言い訳が情けながらに
多かったと思います。
最近も人間なんでたまに出ますけど
こっちに来て考え方も変わったっていうか
何か最近楽しい出来事や嬉しい出来事が
多いなと感じます。

この二年間、サッカーだけじゃなくて
色々な部分での経験が沢山得られて
これからの人生に役立ていくと思います。

まだサッカーは続けます。
自分を信じてこれからも自分らしく。

じゃまた帰国したら連絡します。

Take care and see you soon.
Regards Hiro.

投稿者 Hiro  : (2010年09月21日 17:55)

nanaさん

応援ありがとうございます。

投稿者 Nao  : (2010年09月21日 23:55)

Hiro君

帰ってきたら色々話す事もあるでしょう。

間違いなくオーストラリアの時間は今後役立つと思います。

では日本でお会いしましょう!!

投稿者 Nao  : (2010年09月21日 23:56)

今回の章は耳が痛いことが書いてあって、自分のことを振り返ってしまいました。(笑)

ご両親もきっとそういう考え方で、Naoさんの信条が生まれた理由の1つかもしれませんね。
素晴らしいご家族だと思いました。

まだまだ新米ママですが、息子にも強い信念を持った人間に育って欲しいし、親の私が見本を見せられるように生きたいと考えさせられました。

次章楽しみにしています。

投稿者 sweetchiaki  : (2010年09月22日 12:28)

sweetchiakiさん

そうなんですか?笑

そうですね、親が良い見本って素敵ですね。

では次は最終章ですが、最後までよろしくお願いいたします!!

投稿者 Nao  : (2010年09月22日 13:12)

涙がぼろぼろでてきました。邪念にかられて大事な人を失うところでした。私が強くあるように出会ってくれたのに、私のつまらない意地で縁を無駄にしてしまうところだったかもしれません。心は難しいです。
分野は異なりますが、私も夢があります。何年かかっても叶えたいことです。きっと普通の人にはただの偶然と思うことでも、私にとってはその全てが必然です。心の中で思っているから引き寄せるのであり、自分の行動もそうなっていくのだと。でも、人と違うことをするのはそれなりにしんどい時も多々あります。だからといってあきらめることは決してできませんが。この天職のために、私は努力したいです。

投稿者 るみ  : (2014年02月15日 23:14)

るみさん
コメントありがとうございます。
確かに心は難しいですね。
僕も日々苦戦しています。笑
るみさんの夢、本当に応援しています。
大事に大事に守ってください。
人生、最後に勝てば良いんですよ。
その夢を大事に大事に守ってきた人間が夢を叶えていると思います。
おっしゃる通り、偶然はなく全て必然だと思います。
最高の人生を歩んでください!

投稿者 Nao  : (2014年02月16日 09:11)